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家族が語るREAL HARD MAN. Geneの素顔

67gnboys.jpg Bergファミリーは全員VWの虜だ。彼の愛妻DeeはVWグッズのコレクターだし、息子のGary、Doug、Clydeとも自らレーサーを駆り、ビジネスを継いでいる。もちろんGeneの影響である。そんな彼の素顔は一体どんなものだったのだろうか。

Deeはいう。「いつも一緒だったけど、とにかくクルマとモーターサイクルが大好きで、いつまでたっても少年みたいだったわね。そしていつも一緒だったのがVW。もちろんビジネスだから当然だけど。いわゆるクラフツマン・タイプで自分のやりたいことをガンガンやっていく人だった。プライベートもいつもVWのことでいっぱい。私も好きだったから全然苦じゃなかったし、お互いリスペクトしあっていたわね」と。

もちろん息子たちもかなり影響を受けている。しかし、それはクルマだけではなさそうだ。現場を一手に引き受けるGaryは語る。「バイクでもクルマでもいつも一緒に遊んできた。そういう意味ではすごくいいオヤジだった。それに、ビジネス、個人の関係を問わずまたクルマに対してもなんに対しても常にまじめに一生懸命とりくんでいたよ。何かをやり遂げる、そういう心の強い人物だったね。ぼくらも仕事を引き継ぐ上でそういう姿勢を大事にしている」ひたむきで一生懸命な姿勢が、語らずとも子供たちに伝わっているようだ。シンプルでハードな生きざまは、父として夫として最高の人物であったに違いない。

Gene BergがVWアフターマーケットパーツを製造、特にドラッグレースに裏付けされたハイパフォーマンスパーツ、レーシングパーツをリリースしていることは周知のことだろう。数多くのレーサーたちやFORDやCHEVYイーターを目論む世界中のVWスピードフリークたちが今もなおGene Bergのパーツを求める。それは高い技術力と素晴らしい品質によって裏付けされたものだからだが、なんといってもGene Berg本人の持つこだわりや姿勢がプロダクツに反映されているからにほかならない。

66wntrnl.jpgモンタナ州で生まれ、若き日をシアトルで過ごした彼のホビーはHOTRODだったそうだ。VWとの運命的な出会いはDeeと1956年に結婚した時、ハネムーンで故郷のモンタナを訪れた際に叔父の所有する55年式のTypeIをドライブしたことがきっかけだったという。家に帰るとすぐにオーダーをいれたという逸話が残っている。ここからVWとともに道を歩む日々が始まったのだ。

以前にHOTRODを所有していたこともあり、パワーに不足を感じるようになった彼はその新車にいくつかのモディファイを加えることを決意。しかし、なにかスペシャルなものをつけたのではなく、エンジンをバラバラにし、ひとつひとつパーツを検証。バランス取りやポートアンドポリッシュといった、いわゆるファインチューンを施し70MPHの巡航速度を85mphまで引き上げることに成功している。その後ディーラーのメカニックにドライブさせて「こいつに何をしたんだ?」と驚かせたあげく「何もしてないよ、壊れて速くなったんじゃないの」と答えたという。

さて、そんな話を聞いた周囲のVW乗りが彼にモディファイを頼むようになるわけだが、この手のことがきっかけで商売をはじめた、というパターンはよく聞く話だ。しかし彼は違った。自分なりの仕事を引き受けつつVWのディーラーに勤めVWのことを徹底的に知ってやろうと心にきめ、ランチの時間も惜しんで仕事をこなしていたという。この原動力は「VWというクルマを速く走らせたい。だれよりも速く」という一心のみ。すごくストレートで純粋だ。夢にむかって徹底的に突き進む、素晴らしいマインドを持った男であったのだ。

overshldr.jpgその後、会社を設立し自ら61年式のBugを駆ってドラッグレースに参戦しつつ、日夜研究に励み、いいものをよりよく、ないのなら作るという徹底した態度で製品を作り出してきた。ハイパーフォーマンスそしてハイクオリティ。カタログを見てもハデなパーツはあまりない。目に見える部分ではなく目に見えない部分にこだわりがあるから。ジーンバーグのパーツはまるで彼そのものなのだ。

元来、心臓が弱かったことは自分自身知っていたようだ。体調が悪くても病院に運ばれるまで仕事をしていたそうだが、すでに悪化。ペースメーカーを使えば、延命できたにもかかわらず、彼はそれを断った。享年59歳。あまりにも早い死であった。きっと彼の一徹したハードな生きざまは、後生まで語り継がれることだろう。次にVWに乗る機会があったらぜひGene Bergのパーツを使ってみたい。その時、またMr.Gene Bergに合うことを楽しみにしながら・・・・・・。